世の奥樣方は韓ドラがお好き

僕自身、韓ドラという言葉を最初に耳にしたのは、ちょうど今から七年ほど前でしょうか。もうそのころには世の奥様方は韓国のイケメン俳優たちに夢中だったのですね。「最近、やたらと流行ってるよね、韓ドラ」と言われて返答に困った覚えがあります。「はあ?」という感じですね。その場はうまくごまかして、家に帰ってカミさんに訊ねますと、「それ、韓国のテレビドラマのこと」と教えてもらいました。実はうちのカミさんも、この韓ドラにハマっていたのです。
僕の口から韓ドラという言葉が出たのを皮切りに、カミさんは堰を切ったように話し始めました。「もう、ヨン様がカッコよくって」またまたおかしな名前が飛び出してきました。向こうの国では俳優の名前を言うのにも、わざわざ「様」をつけるものなのか。ちょっと不思議な気持ちでしたね。
それで実際にその韓ドラなるものを見てみました。おそらく韓ドラの火付け的なものだったのでしょう。『冬のソナタ』です。物寂しげな主題歌が流れ、このドラマの主人公であるカップルが画面に映し出される。ドラマ自体の構成は頗る単純です。そして悲劇性が強い。きっとあの悲劇性が奥様方を夢中にさせるのでしょう。奥様方のバイブルとも言える昼メロは、大体がこの悲劇を扱っていますね。ということは、奥樣方は悲劇がお好き、ということになるのでしょうか。
いつか仕事で韓国の女性といっしょに働いていたことがありました。韓国のことをあれこれ聞いていますと、「へえ、おもしろいな」ということもけっこうあります。たとえば、韓国の若いカップルは、いったいどんなデートを楽しむのか訊ねたことがあります。その女性が教えてくれたのは、雪の中で遊ぶ、というものでした。これまた分からない。詳しく訊いてみますと、実は雪だるまを作ったりするらしいのです。ここまで聞いてわかりました。まさに『冬のソナタ』の中の、あの名シーンですね。あれを真似ているらしいのです。
韓ドラの影響というものはスゴいものがある。今でも韓ドラが週に数本、この日本で再放送されていますね。奥樣方はまだまだ夢中なのでしょう。